オリヒロプランデュ株式会社(本社:群馬県高崎市下大島613、代表:鶴田織寛)は、CPCC株式会社の実施により、GABAを高含有させた豆乳で血圧低下作用とリラックス作用を確認し、応用薬理研究会にて論文報告しました。
1.研究背景
高血圧症は生活習慣病の中でも最も頻度の高い疾患であるとともに、適切な治療を早期に行えば、これに基づく重篤な心血管病の発症を予防することが可能な疾患でもあります。
血圧の健康には食事や運動といった生活習慣が重要です。食品に関しては「血圧が高めの方」に適した特定保健用食品が販売され、GABA※1も血圧に対する機能性が報告されている成分の1つになります。
本試験では、GABAの生成を高めたGABA高含有豆乳※2の継続摂取による降圧作用及びリラックス効果について検討を行いました。
※2 GABA高含有豆乳
GABA高含有豆乳は、大豆の発芽時にGABAが蓄積される性質を応用した製法により、より多くのGABAを生成させた豆乳です。本試験では1パック180g中に30mgのGABAを生成させるようにコントロールした豆乳を使用しています。
GABA以外に、他の豆乳と比較してアミノ酸、ペプチド類が豊富であることも特徴です。
2.方法
(1)被験者
被験者は、特定疾患を持たない成人男女で、平均血圧が収縮期血圧130~159mmHg、拡張期血圧85~99mmHg程度の方で、研究内容、方法について十分な説明を行い、被験者の自発的な協力同意を文書で得られた男性6名、女性6名の12名(平均年齢47.2±6.2歳)としました。
(2)試験食
各被験者にはGABA高含有豆乳を一日毎朝食時に1パック180g(GABA30mg)摂取頂きました。
(3)試験方法
試験期間は8週間とし、試験食を毎日摂取頂きました。摂取前、 摂取4週後そして摂取8週後の3回、下記項目の検査を行いました。
1.血圧・脈拍の検査
2.POMSアンケート※3
3.血中コルチゾール値※4の測定
4.体重や体脂肪率など体成分分析
5.一般生化学検査
6.医師の問診による安全性の確認(消化器、呼吸器、循環器、中枢症状など)
(4)血液生化学検査
食品としての安全性確認として、生化学検査数値及び血液学的検査数値を観察しましたが、有害性を示す結果は確認されませんでした。
(5)医師による診察・問診
試験期間中の異常は確認されませんでした。
※3 POMSアンケート
Profile of Mood Statesの略称で、気分を評価するアンケート票の一種です。各質問項目より、被験者の検査当日の気分について「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「怒り-敵意」「疲労」「混乱」「活気」の6つの尺度を評価できます。
※4 血中コルチゾール
コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスにより血中への分泌量が増加します。
3.結果
(1)血圧・脈拍数
試験食摂取により、収縮期血圧、拡張期血圧ともに大きく低下しました(統計的に有意)。また、脈拍数は、試験期間中の目立った変化は観察されず、徐脈及び頻脈といった異常も認められませんでした。
(2)血中コルチゾール値
試験食摂取により、血中コルチゾール値は4週後に僅かな低下を示し、8週後に大きく低下しました(統計的に有意)。
(3)POMSアンケート
試験食摂取により、「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「怒り-敵意」「疲労」「混乱」「活気」のいずれの項目においても大きな変化は確認されませんでしたが、「緊張-不安」「疲労」のスコアが下がって「活気」のスコアが上昇するようなパターンの変化が見られました。
(4)体成分分析
体重、BMI、体脂肪率、筋肉量などの体成分分析値に関して試験期間中の変化は確認されませんでした。
4.結論・考察
GABAを高含有させた豆乳は血圧が高めな方に対して、安全に血圧を低下させることが明らかになりました。さらに、血中コルチゾール値の低下より、自律神経の興奮を鎮め、ストレスや緊張状態を緩和する効果も確認されました。